「相続で不動産を手にしたけれど、家が古くて住むのも売るのもなぁ・・・」
そんなお悩みを抱えている方は少なくありません。
けれど、空き家のまま放置し続けることも難しく、デメリットも大きいもの。
それなら更地にして売却しましょう。
更地にして売却するメリットや費用の目安、更地にせず中古住宅として売却したほうがよいケースも紹介します。
■空き家を所有するデメリット
相続した家の利用方法や方向性が決まらず、とりあえずそのままにするケースは少なくありません。
けれど、空き家には多くのデメリットがあります。
・デメリット①:廃墟化しやすく管理が大変
空き家は人が住んでいる家よりも早く劣化が進んでしまいます。
換気も修繕もされず長い間放置されていると、あっという間に廃墟化してしまいます。
草木も伸び放題になりますが、問題は見た目の悪さだけではありません。
倒壊のリスクも出てくるのです。
地震や台風が起これば、家の倒壊だけでなく塀が崩れたり瓦が落ちたりする可能性もあります。
そのようなことを防ぐには、定期的に通って修繕や管理をしなければならず、負担が大きいものです。
・デメリット②:近隣住民とトラブルが生じることがある
空き家が原因で、近隣住民とトラブルになることもあります。
例えば、庭木が伸び放題になり隣人に迷惑をかけてしまったり、野良猫などの住処になったり。
無断でゴミが捨てられたり、放火などによって火災が発生したりなどのトラブルもあります。
空き家は放火の対象になりやすいと言われているので、気をつけなければいけません。
・デメリット③:行政代執行となる可能性がある
「行政代執行」という言葉を聞いたことはありますか?
行政代執行とは、老朽化した空き家を行政が強制的に取り壊すことです。
この際にかかった解体費用は行政が払うのではなく、空き家の所有者が払わなければいけません。
「勝手に解体されたのだから費用は払わない」は通じず、税金と同様に強制的に徴収されます。
現金や預貯金はもちろん、不動産や車、株式などの資産を差し押さえられてしまうです。
・デメリット④:資産価値が下がる
「空き家としてでも持っていたら価値がある」と考えている方もいるかもしれません。
確かに不動産には価値がありますが、ずっと同じ価値が続くわけではありません。
建物が古くなるほど価値は下がっていくのです。
「ひとまず空き家のまま所有しておこう」と考えている間にも経年劣化は進みますし、管理をしていなければさらに劣化は進みます。
つまり相続したときが一番、資産価値が高いのです。
・デメリット⑤:固定資産税の負担が続く
土地や家屋には固定資産税が課税されます。
毎年1月1日時点で、土地や家屋を所有している人が納めなければいけない税金です。
住んだり活用したりしているかは関係なく、空き家であっても納付しなければいけません。
・デメリット⑥:「特定空き家」は固定資産税が6倍
空き家に関する法律で、「特定空き家」は「固定資産税等の住宅用地特例」の対象から外すと定められています。
これによって、「特定空き家」に指定されると固定資産税が6倍になってしまいます。
【特定空き家とは?】
例えば・・・
・ゴミが放置され臭気や害虫が発生しているなど、衛生上の問題がある
・屋根や外壁の脱落、倒壊などの危険性がある
・動物が住み着き、糞尿や鳴き声などで近隣住民の生活環境を妨げている
これらのケースに当てはまると、「特定空き家」に指定されることがあります。
特定空き家に指定され、助言や指導を受けても改善されなければ、固定資産税の優遇措置が適用されなくなります。
本来、小規模住宅用地の固定資産税は優遇措置により特例率1/6が適用されているのですが、それが適用されなくなるため、6倍になってしまうのです。
・デメリット⑦:空き家特例(3,000万円控除)を受けられなくなる
相続した空き家を売却して利益がでると、譲渡所得税を払わなければいけません。
しかし、「空き家特例」に適用されれば3,000万円の控除が受けられるので税金が安くなります。
ところが、適用条件の中に、「相続があった日(亡くなった日)から3年後の年末までの間に売却したこと」とあります。
例えば、2020年6月1日に相続があったなら、2023年12月31日までに売却されれば適用されるということです。
この期限を過ぎてしまうと3,000万円控除は受けられなくなるため、いずれ売却を・・・と考えているなら、この制度を利用できる期限までに売却したほうがお得です。
■空き家は壊し、更地にして売る方法がある
空き家を所有するデメリットを解説してきましたが、それでも「古い家だから売れないだろう」と心配している方がいるかもしれませんね。
けれどこのようなケースでは、古い建物を壊して更地にして売るという方法があります。
【更地とは?】
建物が建っていない状態の宅地のこと。
借地権も付いておらず、購入した人が自由に建物を建てれる状態です。
建物を解体するだけでは解体後の木くずやコンクリート破片などが落ちているので、買い手からの印象が良くありません。
売却するなら、更地だけでなく整地(土地をきれいにすること)までしておくことをおすすめします。
ほとんどの解体業者が整地まで行ってくれますが、なかには契約内容に含まれていないケースもあるので注意しましょう。
●更地にして売却するデメリット
・解体費用がかかる
更地にするには解体費用がかかってしまいます。
費用に目安は前述したとおりです。
売却すれば売却益がありますが、一旦は売主が解体費を払わなければいけないため、お金を用意しなければいけません。
・固定資産税がアップする
建物が建っていると、固定資産税は「住宅用地の軽減措置」が適用されています。
これにより土地の固定資産税が安くなっているのですが、建物を解体してしまうとこも措置は適用されません。
そのため、建物の固定資産税はかからなくなるものの、土地の固定資産税はアップします。
ただし、一概にアップするとは言いきれません。
なかには安くなるケースもあるので、税務署などで確認すると確実です。
■こんなケースは更地にしてからが売却がおすすめ
では、具体的にはどのようなケースだと更地にしてから売却した方が良いのか気になりますね。
主に以下のようなケースは更地にしてからの売却をおすすめしています。
・建物の劣化が激しい
・建物が古く、耐震基準を満たしていない
・築20年以上経っている
・空き家の維持管理から早く解放されたい
建物の劣化が激しいと「特定空き家」になる可能性があり、固定資産税が6倍になるリスク、行政代執行になるリスクがあります。
また、家は売りに出した途端に売れるとは限らず、売却期間が1年以上となるケースも少なくありません。その間も空き家の維持管理はしなければいけないため、維持管理が難しい方も更地にしてからの売却がおすすめです。
■中古住宅として売りに出した方がよいケースも
なかには、更地にせず古家付き土地として売りに出した方が良いケースもあります。
例えば、「再建築不可物件」です。
【再建築不可物件とは】
今ある物件を取り壊しても、新たな建物を建築できない土地のこと。
敷地が建築基準法上の道路と全く接していなかったり、接していたとしても接している幅が2m未満であったりすると「再建築不可物件」となります。
近頃はリノベーション技術も向上しているため、ボロボロの家を驚くほどきれいにして売るということも可能です。
ケースごとに最善の方法は違うため、素人が判断するのは難しいもの。
不動産会社に相談して、アドバイスをもらうことをおすすめします。
●まとめ●
空き家を所有するデメリットや、解体費用の目安、更地にして売却するメリットなど解説しました。
相続した家の扱いに困っている方は多くいるため、弊社はよく相談をいただきます。
たくさんのケースを扱ってきたからこそ多様なアドバイスができますので、心配事はまずご相談ください。